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最高裁判所第三小法廷 昭和30年(あ)762号 判決 1957年2月26日

主文

本件上告を棄却する。

理由

弁護人榎本九の上告趣意について。

論旨は判例違反を主張するけれども、所論引用の判例は事案を異にし本件に適切でない。そして、刑法一九七条にいう公務員の職務に関しというのは、公務員が法令上管掌するその職務のみならず、その職務に密接な関係を有するいわば準職務行為又は事実上所管する職務行為に関する場合も含むものであることは当裁判所の判例(昭和三〇年(あ)第四一〇七号同三一年七月一二日第一小法廷決定、集一〇巻七号一〇五八頁参照)とするところであるから、結局原判決は正当であって所論のような違法はない。

また記録を調べてみても刑訴四一一条を適用すべき事由は認められない。

よって同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 河村又介 裁判官 島 保 裁判官 小林俊三 裁判官 垂水克己 裁判官 高橋潔)

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